減圧症のリスクを下げる「エンリッチドエア」とは?メリットやデメリット・安全性は?

サブジロー(diver_subjiro)
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減圧症のリスク低減してくれるといわれているエンリッチドエアについての記事です。

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長く海中を楽しみたいダイバー必見の内容がまとまっていますのでしっかり最後まで読んで下さいね!!

 

日本最大のダイビング指導団体「PADI」が推奨しているエンリッチドエアは、多くのダイビングショップでもすすめられているので、ダイビングを楽しむなら利用したいという方が多いでしょう。

 

エンリッチドエアには「疲れにくい」「長く潜れる」などメリットが多くありますが、その中でも「減圧症のリスクを低くする」というメリットが最大の特徴です。

 

そこで今回はエンリッチドエアについて、

  • エンリッチドエアとは何?
  • エンリッチドエアのメリットとデメリット
  • エンリッチドエアの安全性

この3つについて詳しく解説していきます。

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減圧症のリスクを減らすエンリッチドエアとは?

エンリッチドエア1


エンリッチドエアとは、簡単に説明すると「酸素の割合が多い空気」のことです。

 

通常の空気は酸素21%、窒素約79%で作られていますが、エンリッチドエアは酸素を21%よりも多く含む空気なので、窒素の割合が少ないのが特徴です。

 

エンリッチドエアがなぜ注目されているのかというと、大きな理由は減圧症のリスクを下げることができるというのが理由になります。

 

減圧症とは、ダイビングの際にシリンダーから吸った窒素が体内に残留することで起こる様々な症状のことです。

 

私たちが陸上で活動する際は、およそ1気圧のところで空気を吸っていますが、ダイビングの際は圧力のかかる水中に潜ることになります。

 

水中では陸上よりも気圧が低く、シリンダーから吸い込んだ窒素が関節や肺などの組織に溶け込みやすくなるので、ダイビング終了前に「安全停止」をして窒素を体外に排出する必要があります。

 

しかし組織には窒素を取り込む時間や排出する時間にばらつきがあるため、安全停止をしても完全に体外から窒素を排出することができません。

 

体内に残った窒素は気泡化して組織を圧迫することで、皮膚の痒みや関節の痛み、時には意識障害や死亡など生命に関わる症状を引き起こします。

 

エンリッチドエアは、減圧症の原因である窒素の割合がそもそも少ない空気なので、体内に残留する窒素量を減らして減圧症を防ぐことができます。

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エンリッチドエアのメリットとデメリット

エンリッチドエア2メリットとデメリット


エンリッチドエアは酸素の多い空気なので、減圧症の原因となる窒素を体内に取り込む量が少なくなるというのが最大の特徴です。

 

減圧症は生活習慣やダイビングの方法・回数などによってリスクを高めてしまうので、空気の種類を変えることで防げるなら、エンリッチドエアを利用したいと感じた方が多いのではないでしょうか?

 

しかしエンリッチドエアにはメリットの他にデメリットがあることをよく理解しておくことが大切です。

 

ここからは、エンリッチドエアのメリットとデメリットを解説していきます。

 

エンリッチドエアのメリット

  • 減圧症のリスクを大きく減らすことができる
  • 長い時間ダイビングを楽しめる
  • 短い水面休憩時間で次のダイビングが可能
  • 疲れにくく脱力感を感じにくい

 

ここまでお話ししてきたように、エンリッチドエアは酸素が多い空気なので窒素量が少ない。

 

そのため減圧症の原因となる窒素の体内残留量を減らすことができるのが最大のメリットです。

 

窒素が通常の空気と比べて少ないことで、水深18mのダイビングの時間が最大56分から98分になるので、1回のダイビングを楽しむ時間を長くすることも可能です。

 

医学的根拠はまだありませんが、エンリッチドエアを使用した方は「疲れにくい」と話すことが多いので、通常の空気を利用する場合と比べて疲れをはじめ、目のかすみなどの症状を感じにくくなるというメリットがあります。

 

エンリッチドエアのデメリット

  • 潜水深度範囲が厳密に制限される
  • 酸素中毒のリスクが高まる
  • 空気タンクと比べてやや高い
  • 専用の講習を受ける必要がある

 

エンリッチドエアは酸素が多い空気なので、浅い深度から酸素中毒を起こすリスクが高まります。

 

酸素中毒は陸上で起こる場合重篤な症状を引き起こすことがありませんが、水中で起こると意識を失うリスクがあるため溺死の可能性があります。

 

そのためエンリッチドエアを使用する際は、酸素中毒を絶対に起こさない潜水計画を立てることが重要なので、水深深度の範囲が厳密に制限されます。

 

また、エンリッチドエアを利用するためにはエンリッチドエアの講習を受ける必要があります。

 

基本的には学科試験で構わないのですが、ダイビングリゾートにあるダイビングサービスを利用して講習を受ける場合は海洋実習が必要になる場合があります。

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エンリッチドエアは実験が行われて安全性が確立されている

エンリッチドエア3


エンリッチドエアの利用を検討している方の心配なことは、「高濃度酸素を吸って活性酵素が増えること」なのではないでしょうか?

 

このことについて日本最大のダイビング指導団体「PADI」のホームページに掲載されている、医療法人信愛会山見医院副院長・学士博士でもある専門家によるコラム「第2回医学的に見たエンリッチド・エアのメリット」に、エンリッチドエアの安全性が書かれています。

 

コラムでは、伊豆の海で実際にダイバーに協力してもらって、通常の空気タンクとエンリッチドエアを使った実験が行われました。

 

この実験では、ダイバーに酸素濃度の違う空気を使用してダイビング前後に血中レベルを測定するものです。

 

通常の空気を使用したダイビングでは、水中で心拍数の低かったダイバーの活性酵素が減少して、心拍数の高かったダイバーでは増加していました。

 

一方でエンリッチドエアを使用したダイバーでは、水中で激しい運動をしていなくても上昇していました。

 

「上昇した」といっても基準値を大きく上回ることはなく、基準値内での上昇だったので、運動で言い表せば激しいジョギングをした後の値に相当します。

 

この実験結果から、エンリッチドエアを使用することで活性酵素は上がるものの悪影響を及ぼすほどではないことがわかり、安全性が確率されました。

 

まとめ

エンリッチドエアは「酸素の多い空気」のことです。

 

減圧症はシリンダーから吸い込んだ窒素が体内に残留して気泡化することで組織を圧迫して発症します。

 

しかしエンリッチドエアは空気の中の窒素量が少ないので、減圧症を起こすリスクを低くすることができます。

 

減圧症のリスクを低くすることができることで、より長い時間ダイビングを楽しむことができるようになり、ダイビング後の疲れを感じにくくなったと話すダイバーが多い。

 

しかしデメリットとして水中で酸素中毒を絶対に起こさないために、厳密に潜水深度が決められており、エンリッチドエアの講習を受ける必要があります。

 

エンリッチドエアは高濃度の酸素を吸うことになるので、「活性酵素が多くなって組織を傷つけてしまうのでは?」と不安を感じた方も多いと思います。

 

しかしご紹介した実験では、エンリッチドエアを使用したダイバーの血中レベルは、陸上で激しいジョギングをした際の数値だったため、悪影響を及ぼすほどではなく安全性が確立されています。

 

減圧症は意識障害や死亡など生命に関わる症状を起こすことがあるので、エンリッチドエアを利用してリスクを低くすることができれば、より安全にダイビングを楽しむことができるようになります。

 

減圧症とは? 減圧症の予防方法についての記事もありますので、是非復習も兼ねて読んでみて下さいね!!

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